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楓図(子延川の楓)

三重県伊賀市に子延川を遡ったところに樹齢400年と言われる楓の老木がある。幹回りも相当に太いのだが、四方に大きく枝を広げている姿も優美の一言に尽きる。ただ、この楓、樹の美しさのみならず、根元に大きな岩を抱えるように立っている姿も圧巻だ。さらに、足元には子延川の清流が流れ、樹と岩と水が美しい景色を形作っている。その優美な楓に、二羽のルリビタキが配した。真っ赤に紅葉する楓と瑠璃の色をした小鳥の色の対比を楽しんでいただければと思う。

 また、この作品は日本画で描かれているが、洋画が画面のリアルさを追求し、均一な画面処理を心がけたのに比べて、日本画はより装飾的な画面を目指した。その為に、洋画に比べて、それぞれの素材を活かすことを心がけている。岩絵の具、金箔、和紙、それに毛筆の筆致などを多用し、より装飾的な美しさを表現している。
 それぞれの素材の質感を最大限に生かし表現する。その辺りは、日本料理や着物などにも通じる日本の伝統的な文化だと言えるかもしれない。
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