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老椿図(小野家の椿)
117x117cm 2006
椿の作品を描くのが初めてとあって(小品は除いて)、だいぶ苦労しました。特に、今回椿の花の色が赤だったので、葉っぱの緑色とバックの銀色との兼ね合いが難しく、その組み合わせに四苦八苦。今までどちらかというと、無彩色に近い画面で描いていたので椿の赤の処理は思いの他、苦労しました。描いても描いても、幹のボリューム感が全然出て来なくて、その原因がわからなかったのですが、途中で赤の色が強すぎるのに気がつきました。自分では幹のリアルな表現と花の平面的な色の強さとの対比を楽しんでいるつもりでしたが、実はお互いが相殺し合っていたのでした。
赤の彩度をかなり低く抑える事で幹のボリューム感が増し、自らイメージした老椿の雰囲気が出てきたように思います。ただ、本来は赤の彩度をかなり高くし、なおかつ幹のリアルさとのコントラストを強くしながら両方が生きてくる様な組み合わせはないかと考えています。葉っぱはどちらの表現にするのかも含めて、完成した瞬間から大きな課題が残りました。
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