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銀杏図 雨乞のイチョウ / 大杉図 大湫神明神社の大 / 松櫢図

このイチョウは何度か訪ねて描いた。描き始めたら、当時もう結構のお年だったと思うが、家のご主人が草刈り機を持ってきて下草を刈り始めてくれた。急斜面なので年齢を考えるとかなりの重労働だが、2時間くらいかけて下草をきれいに刈り取っていただいた。昼時になったら声をかけられた。「〇〇〇で、しるめしxxx云々」 方言がきつすぎてよくはわからないけれど、「しるめし」がどうとか聞こえるから、たぶん「昼飯食べに来い」と言っているんだろうと解釈して母屋に行くと、ちゃんと用意してくれていた。ありがたくいただく。食べながらいろいろ世間話をしようとするが、やはり方言がきつすぎて「うんうん」と 話半分くらいで聞くことに。込み入った話になった時は、ちょうど昼時で帰ってきてた息子さんに通訳してもらう(国内で通訳してもらったのは初めてかも)。でも、方言はその地域を強く感じさせてくれるから楽しい。とくに東北の方言は 温かくて好きだ。「〜だっちゃって、じかに 聞いたのは初めてだった。ラムちゃんの「だっちゃ」もいいけどおじいさんの「〜だっちゃ」もなかなか新鮮だ。スケッチに行くとこういうことが楽しい。 / 15年くらい前に何度か通って描いた岐阜県瑞浪にある「大湫の大杉」がつい先日(2020年7月)大雨で倒壊した。劇齢1300年ということなので、奈良時代初期くらいから、奈良、平安、鎌倉、室町、江戸と、ずっと、足元の街道町を見守ってこられたということだ。一見すると、すくっと上に伸びているように見えるが、地面から10メートルくらいのところから複雑に枝分かれをしていて、それが蛇がのたうつような迫力のある街だった。近くに住んでいる女性の方が、「小さい頃は、前を通るのが怖かった」と話をされていたのが印象的だった。元々、生えている場所も、手前が削られているような立地で、場所的にはどうなのかなあと思ってたが、残念。現在復興プロジェクトが進められているとのこと。合掌

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