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散華図を描く / 散華図 枯向日葵 / 散華図 枯向日葵 / 黒牡丹図 / 散華図 受難 / 散華図 再生 / 枯向日葵図 / 散華図 再生 / 業火 / 寂静
2011、12、13年と三年続いて「散華図」を描いた。二〇十ーに描いた「散華図」は、震災前に描いた作品だが、なぜ、その時に「散華図」などという作品を描こうとしたか記憶にないのだ。真っ暗な画面につり下げられた枯れた百合と、床を漂うよう百合の花びらが、震災後の僕の心に重くのしかかってきた。なぜ、「散華図」を描いたのか。その一年後に、天に昇ってゆく枯れた花をイメージして、もう一つの散華図を描いた。「希望」を見いだしたかった。さらに一年後に枯れた向日葵と太陽を描いた。その後も毎年描くことになる。なぜこうなったのか。復興は未だ終わっていない。 / その後、毎年一枚ずつ「散華図」を描き続けている。今年で12枚になった。(2020年現在)。散華図をいつまで描くのか、考えたこともあるが、今年コロナ禍の中で、また、描くことの意味を感じている。多分、戦後、日本人が、いつまでもこの平和と繁栄は続くと錯覚していた。バブルが弾け、経済的繁栄が永続でないことを知った。震災が起こり、生命と安全も永遠のものではないと知り、今年、コロナによって、システムが決して安定的なものではないことを知った。「散華図」を描いてゆこうと思う。
P39/P40
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