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構と岩と花の素描

僕にとって絵を描く事は、本当に地味な作業の積み重ねだ。まず、題材を見つけ取材とスケッチをし、構想を温める。数日の時もあるし、数年のこともある。構想が決まると描き始める。僕の場合、描く時は一日中描き続け、疲れたら寝て、起きたらまた描くという感じだ。概ね、出来上がったところで、一旦筆を置き、しばらく絵を眺める。没入していた時期から今度はクールダウンして、冷静に自分の絵を眺める期間が必要なんだろう。最後にもう一度描き込んで仕上げる。
でも、これで終わる訳ではない。作品に命が宿るかどうか。宿る事もあるし、宿らないこともある。どこでどう間違えたのか。また直す。うまくいかない。振返る。また直す。その連続だ。「こうやってこうやれば絵ができますよ」という事はない。いつまでたっても試行錯誤の連続だ。

P51/P52

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