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パネル貼り(水張り)

現在の日本画はほとんどの場合パネルに和紙を張り込むスタイルになっています。張り方は基本的に「袋ばり」とか「太鼓ばり」とかといいますが、いわゆる、パネルの側面部分にのりをつけ、画面に当たる部分にはのりがなく浮いている状態になっています。水張りとは、紙を水で湿らせ、紙が十分に延びた状態で木製のパネルに張り込むと、乾燥した時に紙が収縮して、ぴんとたるみがなくなります。日本画に限らず、デッサンやデザインでも同様に水張りを施すことで、水に塗れた時の紙のでこぼこをなくすことができます。

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まず、パネルよりものりしろ(パネルの側面部分)分を大きめに切った紙を用意します。
 

僕の場合は、パネルに一度、別の紙を貼ります。ベニヤはその製造過程でかなりの接着剤を使用しているために、それからガスが出て、本紙を傷めると言われています。そのために、本紙とベニヤの間に一枚紙を張り込むことで、直接的な劣化を防ごうという主旨です。

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紙をパネルの四隅に糊代分を残した状態で、合わせておいて、紙の上から水を刷毛で塗ります。その時に、水の塗方は中心から外へ塗ります。ただ、紙が大きい場合中心まで手が届かない場合も多いので、僕の場合は、150号とかの大きなサイズの紙へは霧吹きなどで紙を濡らします。
紙を濡らして伸ばした状態でパネルに張り込むことで、乾くと神が収縮しピンと張るのが水張りです。

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そのさい、濡らしてから紙を動かすことは難しいので、あらかじめ四墨を合わせておいてから紙を濡らすのがこつです。

のり代部分にふのり(ヤマト糊)を塗ります。刷毛かもしくは指で塗ります。また、新しいパネルの場合は、パネルの側面にもあらかじめ捨てのりをしておくとつきが良くなります。

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のりをつけたらパネルの側面に紙を折り込んでいきますが、貼る順番は以下になります。
右側面の中央
左側面の中央
上側面中央
下側面中央
中央部分を先につけてから、角へと少しずつ引っ張りながらつけてゆきます。
右上角
右下角
左上角
左下角
この時に大切なことは、紙をできるだけ外側へひっぱりながら貼ってゆくことです。あくまで、水が乾燥する過程でひきますので、紙が破れないように気をつけてください。(塗れている紙は破れやすくなっています。)

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水張りで一番失敗が多いのは角の部分です。引っぱりが足りないと隅じわと言って、その部分が浮いてしまいます。先ほども述べましたが、紙をつかんで引くと紙が破れる場合があります。あくまで、上から外へ紙を手で圧着して押し引く感じです。

濡れている時には紙がぼよぼよしていても、乾くとピンと貼ります。完成

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